雪夫人絵図
溝口健二監督没後50年ということで、監督の作品がBSで放送されました。
放映作品は、ほとんど既に見ていましたが、この「雪夫人絵図」は、未見でした。
概要
日本映画の巨匠、溝口健二が舟橋聖一の小説「雪夫人絵図」を原作に描く濃厚な人間ドラマ。「次郎物語」の木暮実千代、「青春残酷物語」の久我美子、「時をかける少女」の上原謙、「黒部の太陽」の柳永二郎ら名優たちを迎え、心と身体が引き裂かれた雪夫人の悲劇を描く。
1950年作品。
あらすじ
雪夫人(木暮実千代)は、旧華族信濃家の一粒種のお姫様に育ち、養子直之(柳永二郎)を迎えて結婚したが、直之は放蕩無頼、雪夫人を愛しながらもこれに飽き足らず夫人を熱海の別荘においたまま、京都のキャバレーの女綾子に溺れ、いたずらに財産を蕩尽している。浜子(久我美子)は信濃家の旧領地である草深い信州から憧れの雪夫人に仕えるべく遥々熱海へやって来たがその夜東京の本邸で雪夫人の父親が亡くなり、その足で、雪夫人もつめている東京の本邸へ駆けつけることになる。このとき、箱根の山のホテルにいる菊中方哉(上原謙)も同道することになる。方哉は、父が信濃家出入りの琴の師匠であったので、幼い頃より雪夫人とは親しく彼女を愛している。雪夫人も方哉を愛し、唯一人の心の友としているが、夫と離婚して方哉と一緒になる決心はどうしてもつかない。直之に別れ話を持ち出す度にその暴虐な肉欲の嵐に征服されてしまう。弱い雪夫人は、心と肉体の矛盾にただ身悶えして悩むばかりで、心に頼む方哉には、直之を向うへまわして、雪夫人を奪い取ってくれるだけの強さはなかった。少年誠太郎と浜子とは、煮え切らない雪夫人の態度を歯がゆく思ったり、夫人と直之との不思議な愛欲図に思い惑ったりするのであった。雪夫人は父の死と同時に財政的な行き詰まりと、自分の生活的な独立を計るため、熱海の住居を旅館にして宇津保館と名付けその経営に当るが、京都から直之が綾子とその情夫で取巻の立岡を連れてきて、綾子に経営をやらせると言って雪夫人を困らせる。方哉に勧められ、今度こそはと離婚を決意して京都に直之を訪れた雪夫人はまたしても直之のために身も心も踏みにじられ睡眠薬を飲んで自殺を企るが果せず傷心の心を深めて熱海へ帰って来る。このときの騒ぎで、雪夫人は直之の子を宿していることを知るが、直之はそれを自分の子ではあるまいとなじる。直之の後を追って綾子がまたもや立岡と一緒に宇津保館へ乗り込んで来る。直之が破産状態にあるのを種に、立岡と共に宇津保館を乗っ取る魂胆である。雪夫人はこうした厳しい人生に生きて行くことが出来なかった。秋近い芦の湖畔に浜子の泣き叫ぶ声がする。湖中に消えた雪夫人を求めて呼んでいるのであった。
<ネタバレあり>
ラストに浜子(久我美子)が、「いくじなし-!」と何度も叫んで号泣するのだが、まさにその通り、あまりに雪夫人(木暮実千代)が情けないので、ついていけない・・・・原作を読んでいないからわかりませんが、映画だけ見ると感情移入できないぐらい、人間が頼りなさすぎです。
まあ、菊中方哉(上原謙)も情けないし、どうしようもない諸悪の根源の直之(柳永二郎)も情けない。配役としては、ピッタリです。
女の悲哀さを描かしたら、溝口監督はうまいのだが、ちょっと女の性を描く方が足りないから、納得できなかった。
でも絵画のような芦ノ湖の風景と妖艶な木暮実千代の演技は、一見の価値あります。
もやの効果も見事です。さりげない風景の構図がハッとする美しさです。白黒なのに・・・
あと久我美子が、女中役ってのも、普通はヒロインばかりなわけですから、めずらしいし、冒頭に彼女の入浴シーンもあります。
溝口監督は、名作ぞろいでハズレはないのですが、これはストーリーとしてついていけないから、一応観たということで・・・
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